7ー11 天野山金剛寺の大日如来像と二明王像関係年表

 

8世紀 行基が金剛寺を創建したという(寺伝)。
1132年 覚鑁、高野山に大伝法院を建立(鳥羽上皇の御願寺に)
1136年 阿観、和泉国大鳥郡で生まれる。父は大和貞平
1137年 八条院(暲子内親王)生まれる。
1172年 阿観、河内国天野谷で御影供(弘法大師をまつる法会)を行う。(高野山天野別所のはじまり。これがのちに天野山金剛寺へと発展)
1178年 阿観、金剛寺金堂を建立し、大日如来像、両界曼荼羅、祖師像をまつる。多宝塔も建立。
1178年 金剛寺、八条院の祈願所となる。
1180年 河内の武士、源(三善)貞弘が私領を金剛寺に寄進
1181年 金剛寺にて伝法会はじまる。
1183年 源貞弘、平家方として出陣し、源義仲軍との戦い(越中・砺波山の戦い)で落命
1188年 石川義兼が金剛寺に所領を寄進。しかし、こののち次第に義兼と金剛寺寺僧は対立する。
1195年 阿観、浄覚(八条院女房大弐局)から八条院へ、さらに源頼朝へとはたらきかけが行われた結果、石川義兼の勢力が金剛寺から排除される。
1197年 阿観、浄覚に金剛寺院主を譲る。
1198年 金剛寺、仁和寺北院の末寺となる。
1199年 覚阿(浄覚の妹)、金剛寺院主となる。
1207年 阿観、死去
1208年~ 金剛寺院主覚阿と学頭の覚心が争う。

1208年以後 藤田美術館蔵地蔵菩薩像の銘記に、「法眼快慶」「開眼行快」とある。行快の名の初出。玉眼制作を担当したのであろう。
1211年 八条院、死去
1216年 行快、快慶の譲りで法橋となる。
1219年 快慶、一門を率いて長谷寺の十一面観音像を再興する。行快は小仏師の筆頭として快慶を補佐。
1220~1230年代 金剛寺に伝わる一切経4500巻余りうち、大半がこの時期に書写される。
1224年 覚心、金剛寺の本寺、仁和寺の裁定によって金剛寺の院主となる。
1226年 覚心、死去。覚阿が院主に復帰
1227年 この時までに快慶、死去(極楽寺阿弥陀如来立像納入品の記載より)
1227~1234年の間 行快、法眼となる。
1228年 この時、金剛寺金堂本尊の大日如来像の光背、台座が未完成との記録あり
1234年 金剛寺金堂安置の二明王像がつくられる。願主は慶円、大勧進は覚実。仏師は行快ら(不動明王像銘文)
*大日如来像の光背周縁部と化仏もこの時か。また、これに合わせて金堂が改造、拡張されたと考えられる。

1279年 金剛寺楼門の二天王像つくられる。仏師は正快ら
1280年ごろ 興福寺大乗院が金剛寺院主職を得る。
1320年 金剛寺金堂内陣の柱の下部にこの年を示す墨書が残る。このころ、金堂が再び改造されたと考えられる。
1332年? 金剛寺、鎌倉幕府と戦う楠木正成のために祈禱を行う。(楠木家文書)
*南北朝内乱期、金剛寺内には中立を主張する僧もいたが、南朝(後醍醐天皇の系統)の側に立つことになる。
1337年 天野合戦 北朝軍が金剛寺内に乱入。1349年、1360年、1373年にも金剛寺および周辺で合戦あり。金剛寺は小規模な火災にはみまわれるが、金堂などは無事。
*この間、南朝の後村上天皇と長慶天皇が金剛寺を御所とした時期あり。北朝の3上皇1親王が金剛寺の観蔵院に捕えられていたこともある。
1392年 南北朝合一
1432年 金剛寺の特産品、天野酒が記録にあらわれる(「看聞御記」)。
*守護畠山氏が幕府への献上品とするなど、名酒として知られ、金剛寺の財源となる。なお、このほかに金剛寺の名産品としては、白炭(良質の炭)、竹(すだれに加工、現在も近隣の工場で生産)がある。
1605~1606年 豊臣秀頼によって金剛寺が修理される。
1700~1701年 江戸幕府によって金剛寺が修理される。

19世紀後半 かつて数十あったという金剛寺子院は廃絶、統合され、数か寺のみ残る。
1899年 金剛寺金堂の大日如来像、不動明王像、降三世明王像を国宝指定(戦前の制度、現在の重要文化財、3躯別個の指定
1900年 金剛寺金堂、国宝指定(戦前の制度、現在の重要文化財)
1939年 金剛寺多宝塔基壇下より容器が見つかり、納骨が確認される。八条院の遺骨が分骨されたものか。
1996年 金剛寺楼門の二天王像を重要文化財指定
2009年 金剛寺金堂の修理がはじまる。
2010年 金剛寺金堂の大日如来像と不動明王像、降三世明王像の修理がはじまる。(2015年まで。修理後、大日如来像と不動明王像は京都国立博物館で、降三世明王像は奈良国立博物館で展示される)
2017年 金剛寺金堂の大日如来像と不動明王像、降三世明王像を国宝に指定(統合して国宝1件に)
2017年 金剛寺金堂の修理が終了
2018年 大日如来像、不動明王像、降三世明王像が金剛寺金堂に戻る。

 

 

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