医王寺の薬師如来像

毎年1月8日に開扉

住所
加須市芋茎350


訪問日 
2026年1月8日


この仏像の姿は(外部リンク)
加須市・医王寺薬師如来坐像



拝観までの道
医王寺は加須市の旧騎西町地区、芋茎に所在する(市内には同名の別寺院があるのでご注意を)。
交通は桶川駅から朝日自動車バス菖蒲車庫行きで終点下車、西北西へ徒歩約10分、またはモラージュ菖蒲滝のコート南入口行きで「JAアグリホールくき前」下車、西北西へ徒歩約15分。 
薬師堂本尊の薬師如来像は秘仏で、毎年1月8日にご開帳を行なっている。その日は日中ずっと開いており、拝観できる。なお、寅年の4月8日に大開帳の行事を行なっているそうだ。


拝観料
志納


お寺や仏像のいわれなど
曹洞宗寺院。
薬師堂は18世紀後半の建物で、天井の草花図、また周囲にはたくさんの額がかけられ、華やかな堂内である。残念ながら額の多くは褪色してしまっているが、算額や江戸時代中期に来日した朝鮮通信使を描いた大きな額も掛けられている。
本尊の薬師如来像は行基作との伝承があるが、平安時代後・末期ごろの定朝様の仏像である。


拝観の環境
薬師堂は内外陣を仕切る密教本堂の形式。拝観は外陣からで、像まで若干距離があるが、堂内には照明があり、またお堂は南向きで外光にも助けられ、よく見ることができる。


仏像の印象
薬師如来像は像高90センチ弱の坐像。ヒノキの寄木造。玉眼が入っているが、これは後世の改変と思われる。上半身の主要部はほぼ1材でつくり、後頭部や背面で別材を当てる。内ぐりは丁寧に行われているとのこと。
肉髻はこんもりと盛り上がり、螺髪の粒は小さく、よく揃う。目鼻口はやや中央に寄り、顎は小さい。目は細く、眉はそれほど高々とは上げない。丸顔で、落ち着いた表情をしている。
上半身は大きく堂々として、広く胸を開いている。なで肩。薬師如来像として通例の姿で、左手は足の上で薬壺をとり、右手は施無畏印である。手はあまりすらりとは伸びない印象で、脚部の左右への張りもやや小ぶりとなっている。足は左を上にして組む。


像内銘(修理銘)について
像内に1556年(室町時代後期)の年と、修理にあたった仏師名が書かれる。鎌倉仏師長勤法眼とあり、静岡県の建穂寺観音堂本尊など、16世紀に関東、東海地方で仏像の造立や修理に腕をふるった仏師である。玉眼を入れたり、両手先の後補もこの仏師の仕事と思われ、また左右に侍立する日光、月光菩薩像もこの仏師の作の可能性がある。
なお、薬師如来像の表面の仕上げはさらにその後の江戸時代のものであるらしい。


さらに知りたい時は…
『騎西町史 通史編』、騎西町教育委員会、2005年


仏像探訪記/埼玉県