蟠龍寺の阿弥陀如来像
引き締まったお顔の阿弥陀さま
住所
目黒区下目黒3-4-4
訪問日
2013年5月4日、 2015年2月28日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
蟠龍寺(ばんりゅうじ)は、目黒駅から西へ、または東急目黒線の不動前駅から北西へそれぞれ徒歩10〜15分。山手通りから西に少し入ったところにある。
五百羅漢寺や瀧泉寺(目黒不動)は近い。
拝観は事務所に申し出る。法事等がなければ拝観させていただける。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
境内に弁財天がまつられ、山手七福神のひとつとしても知られる(岩屋弁天)。
本堂前には池もあり、小さいながら趣きある境内のお寺である。
創建は江戸時代になってからなのだが、本尊は平安末〜鎌倉初期の時代の阿弥陀如来坐像。
浄土宗寺院で、一時は律院といって、お坊さんの勉強のためのお寺でもあったらしい。しかし、無住となった時期もあり、その歴史は必ずしも明確でない。
『目黒区の文化財』によれば、本尊は像内にも漆箔を施しているとあり、そうであるならば、本像は相当な由緒をもつ仏像であったと思われる。しかし、残念ながらこのお寺に移されてきた経緯は不明である。
本堂は戦後の再建。
拝観の環境
堂内は明るく、近くよりよく拝観させていただける。
仏像の印象
本尊の阿弥陀如来像は、像高約80センチの坐像。寄木造、彫眼。
肉髻を大きくつくり、螺髪の粒は小さく整う。
顔つきはややくせがあり、目はつりあがり気味につくられている。優美というより引き締まった顔つきである。
上半身は高い。胸に「卍」を刻む。
膝の左右への張りはそれほどでなく、衣の襞は比較的深い。
全体的に定朝様式を基礎にしているが、そこから鎌倉時代の仏像へと一歩踏み出した像という印象である。
その他
かつては境内に露座の金銅仏が安置されていたそうだが、近代初期に海外に流出し、今はフランスの美術館にあるとのこと。
さらに知りたい時は…
『目黒区の指定文化財』、目黒区教育委員会、1979年