長楽寺の馬頭観音像

気迫のこもった馬頭観音さま

住所
浜松市浜名区細江町気賀 7953-1


訪問日 
2026年1月12日


この仏像の姿は(外部リンク)
長楽寺ホームページ・ご本尊



拝観までの道
浜名湖北側の高台にある。
浜松駅前のバスターミナルから遠鉄バス三ヶ日車庫行きに乗車し、「長楽寺入口」下車、北へ徒歩約10分。しかしこの便は本数が少ないので、同系統のバスの気賀駅行きに乗車し、「片町」で下車する方が早いかもしれない。「片町」からだと西へ徒歩約25分。他には、天竜浜名湖鉄道の気賀駅からも25分強で着く。

拝観は随時受け付けているが、ご不在のこともあるため、事前連絡してうかがうのがよい。お寺のホームページから問い合わせができるようになっているので、希望日時を連絡するとスムーズである。


拝観料
300円


お寺や仏像のいわれなど
空海草創と伝えられる真言宗の古刹。光岩山長楽寺と称し、客殿からお庭越しに北を望むと木立の間から見える大岩が山号の由来だそうだ。昔から巨岩信仰の場所で、中世には経塚が営まれたらしい。かつて本堂はそちらの方にあったというが、老朽化のために取り壊し、今はない。
境内は客殿を中心に北側にお庭が広がり、南側に護摩堂が建つ。
馬頭観音像と梵鐘は鎌倉時代、周りを囲む築地塀は室町時代、山門や庭園は江戸時代と、各時代の遺産が揃い、お庭は遠州三名園の1つだという。南側の客殿、護摩堂、築地塀に囲まれた小さなお庭も雰囲気がある。
客殿には庵主さま(ご住職)が描いた美しい色づかいの絵画が飾られ、寄進された浜松ゆかりの古いオルガンが置かれていたりもする。
清らかな空気に満ちた、大変気持ちのよいお寺である。


拝観の環境
馬頭観音像は護摩堂の厨子中にまつられ、堂内で拝観できる。


仏像の印象
像高90センチ弱の坐像。頭と体の中心は一材より彫り出し、クリを入れる。鎌倉時代ごろの作。
三面三目八臂で、頭頂に馬をつける。一般的には馬の頭部を付けるところ、この像では全身像を付けている(拝観は正面からのみなので、見えないが)。右膝を立てて、左右の足裏を合わせる座り方をしているのも比較的珍しいし、像の体幹部と膝部を貫(ぬき、水平方向に固定する木材)で堅牢に結びつけているのも珍しい(もちろんこれも見えないが)。珍しいと言えば、持物の1つである斧の細工の面白い。以上のように、なかなかユニークで見どころの多い像である。

四角張った印象があり、全体の輪郭、上半身、立膝した足などで顕著に感じられる。憤怒の形相を力一杯あらわし、目、眉を吊り上げ、額を高くし、口を開いて歯を見せる。鼻は中央に大きくつくられる。逆立つ髪はまるで奇勝の地を見るかのようである。
衣の扱いはややぎこちなくはあるが、布の質感を出そうと工夫をこらしている。


その他
「片町」バス停から北に少し入ったところにある姫街道と銅鐸の歴史民俗博物館には、近隣にあった首のない地蔵石仏が展示されている。近代の廃仏の際に切られたものと思われる。


さらに知りたい時は…
『みほとけのキセキ』(展覧会図録)、浜松市美術館、2021年


仏像探訪記/静岡県

護摩堂
護摩堂