旧山千寺の観音菩薩像

毎年秋に市の博物館で公開

長野市立博物館
長野市立博物館

住所
長野市小島田町1414(長野市立博物館)


訪問日 
2023年9月16日


この仏像の姿は(外部リンク)
長野市文化財データベース デジタル図鑑・銅造観音菩薩立像



館までの道
旧山千寺(さんぜんじ、さんせんじ)の観音菩薩像は、毎年秋のシーズンに長野市立博物館で公開されるのが恒例のようになっている(2023年は9月12日~11月5日だった)。
長野市立博物館は川中島古戦場史跡公園内にあり、ここは第4次川中島の戦の際に武田方の陣が置かれたところという。交通は、長野駅より松代高校行きアルピコ交通バスに乗車し、「川中島古戦場」下車、すぐ。
原則月曜日が休館。


入館料
300円(常設展示室)


お寺や仏像のいわれなど
長野駅の北東9キロほどのところに吉という集落があり、そこにかつて山千寺というお寺があった。室町時代創建の天台宗寺院(もっと古くからあったとも)で、近代の廃仏の時期に廃絶したが、その後は地域の方が共同で観音堂と、銅造観音菩薩像を守っていらっしゃるとのこと。


鑑賞の環境
筆者がうかがった2023年秋の長野市立博物館での公開は、常設展示室2階の「慈悲のまなざし」というコーナーで、独立ケースでの展示だった。
この一画は市内の仏教美術が紹介され、中央にはこの館に寄託されている旧円龍寺の大日如来像が大きなケースで展示され、旧山千寺の観音菩薩像はその脇で展示されていた。
前からだけでなく、後ろも見え、よく鑑賞できた。


仏像の印象
像高約30センチの立像の金銅仏で、白鳳期の作と考えられている。三面頭飾の正面に如来坐像がなかば抽象化されたようにして浮き彫りになっており、観音像とわかる。
顔、手足が大きくつくられ、目鼻立ちがくっきりと大振りで、胴の正面につけられた4つの花飾りも大きく、インパクトがある。

天衣は後面では大きく肩にかかり、交差して華やかで、腰のあたりから豪快に下がるが、途中が壊れて途切れてしまっているのが残念である。裙のひだは横に細かく刻まれて、これも面白い。腰のあたりでは裙が2枚重ねになっているようにも見え、参考にした元の像があって、その移し崩れであるのかもしれない。
後頭部の髪が左右へと美しく整えられているのも魅力である。


さらに知りたい時は…
『定本 信州の仏像』、しなのき書房、2008年
「山千寺観音菩薩像と白鳳童形彫刻の問題」 (『美術フォーラム21』5)、Donald McCallum 2001年
『長野県史 美術建築資料編 美術工芸』、長野県、1994年


仏像探訪記/長野県