常教寺観音堂の聖観音像

平安時代前期の名像

住所
草津市下寺町82(常教寺)
草津市下寺町154(観音堂)


訪問日 
2026年6月19日


拝観までの道
草津駅西口より近江鉄道バス烏丸下物線、または草津市のコミュニティバス、まめバス常盤循環にて「片岡」下車。北西に徒歩約10分。
常教寺聖観音像は境外の観音堂(下寺観音堂)に安置される。お寺の南側、天神社の入口にある。
拝観には事前連絡必要。


拝観料
志納。


お寺や仏像のいわれなど
聖徳太子創建の寺があったと伝え、平安時代に比叡山の寺院の1つとなったという。なお、このあたりは琵琶湖を挟み、比叡山の真東にあたる。
戦国時代の兵火で焼かれて、観音堂のみが残り、近代以後浄土真宗常教寺に属す。


拝観の環境
堂内で拝観できる。お堂は南面し、光が入ってよく見ることができる。厨子中に安置されるので、側面の様子などは見ることができない。


仏像の印象
聖観音像は像高90センチ余りの立像。一木造。平安時代前期の作。
小像だが、存在感ある素晴らしい像である。
まげは低く結う。顔立ちは独特で、目の開きがやや大きく眼光鋭く感じられること、眉と目、鼻と口が接近していること、口を厳しく結び、顎も力強く、威厳のある風貌である。異国風の香りが色濃いようにも感じられる。

右手を下げ、左手を胸のあたりにあげ、それにともなって左肩が少し上がっている。腕と手首にはアクセサリーをつけている。下げた右手は膝まではないが長い。左手のあたりで条帛がくるりと輪になるのはチャームポイントになっている。
上半身は長く、胴で絞る。腰はやや左にひねる。お腹は前に出ないが、控えめに2本線を入れている。下肢の衣は太く丸い線の間に小さな波をはさみ、両足の間には渦巻きの文を入れている。
衣には赤や緑系の色が見られ、当初の彩色を残しているらしい。


さらに知りたい時は…
『草津市史』1、草津市史編さん委員会、1981年 
「聖觀音菩薩像 滋賀 常敎寺藏」(『美術研究』192)、久野健、1957年5月


仏像探訪記/滋賀県