蓮花寺の十一面観音像

  年に4日間のご開帳

 

住所

大田区西蒲田6-13-14

 

 

訪問日 

2013年7月7日

 

 

 

拝観までの道

蓮花寺(れんげじ)は、蒲田駅から東急目蒲線で1駅、蓮沼駅から徒歩5分ほどのところにある。

駅前の踏切の東側に交番があるので、その右側の細い道を入ると、正面にお寺が見える。

 

本尊、十一面観音像は秘仏で、私がうかがった7月7日のほか、1月17日、春秋の彼岸中日のあわせて年4日開扉しているという。

7月7日はお施餓鬼の法要で、事前に問い合わせたところお昼から午後4時ごろまで開扉しているということ。3時すぎに訪ねたところご法要中で、3時半すぎに終了、そのあと拝観させていただくことができた。

 

 

拝観料

拝観料等の設定は特になかった。

 

 

お寺や仏像のいわれなど

真言宗のお寺で、寺伝によれば、創建は平安時代中期、恵心僧都源信という。鎌倉時代前期に、この地の地頭であった荏原兵部有治(出家し、蓮沼法師)が中興したと伝える。

 

 

拝観の環境

本堂中央の護摩壇の奥に厨子に入って安置され、ご法要終了後、近くで拝観させていただくことができた。

 

 

仏像の印象

本尊の十一面観音像は、寺伝にいう中興の頃につくられた仏像である(鎌倉前期〜中期ごろの像)。ヒノキの一木造、彫眼、素地仕上げ。一木造とはいっても平安前期時代などにみられた一木造とは違う進んだ技法でつくられており、下半身で横にのこぎりを入れ、その上部は前後に割矧ぎをし、割り首を行っている。

像高は約90センチの立像。保存状態は全体によい。

 

卵形の顔に、やや小さめの目鼻立ちがかわいらしい印象を与える像である。口にさした朱が強い印象を与える。

胴は絞り、しっかりと肉付けした腰は若干ひねって、右足をわずかに遊ばせる。衣は下に行くほど襞を深く彫り、存在感を増す。

折り返した裙は一定方向に襞を刻まず、動きをはらんだ布のばさばさとした感じを出す。鎌倉時代の特色がよく出た美しい観音像である。

 

 

さらに知りたい時は…

『大田区の美術工芸』(『大田区の文化財』33集)、大田区教育委員会、2002年

 

 

仏像探訪記/東京都