勝林寺の釈迦如来像

お彼岸に開扉

住所
豊島区駒込7-4-14


訪問日 
2023年3月21日

 


この仏像の姿は(外部リンク)
豊島区・文化財


拝観までの道
最寄り駅は、駒込、巣鴨、そして東京メトロ南北線の西ヶ原。
勝林寺のホームページでは駒込、巣鴨からが紹介されていたが、地図で見たところ西ヶ原駅の方が近そうだったので、そちらから歩いてみた。南に約10分。
お寺の入口は北側で、門を入るとすぐ正面が本堂。

 

勝林寺ホームページ

勝林寺の本尊は普段非公開。『芸術新潮』の記事(2021年2月号)によると、春秋の彼岸はお堂が開かれているとあり、訪れてみた。筆者は春彼岸中日、11時半ごろに着き、拝観できた。


拝観料
特に拝観料等の設定はなかった


お寺や仏像のいわれなど
江戸時代前期に神田に創建された臨済宗寺院で、のちに文京区向丘へ移転し、1940年に現在の豊島区駒込に移転してきたという。空襲のために全焼し、戦後に再建し、それを2017年に建て直したものが現本堂である。
このお堂は、400年もつことを前提にしてつくられたものだそうで、新素材でできていそうなモダンな雰囲気があるが、木造という。入口も段を設けないバリアフリー仕様であり、地下は納骨堂になっているそうだ。
堂内は柱がなく、広々とした空間で、本尊はシンプルな壇の上にまつられている。


拝観の環境
扉口からの拝観で、やや距離はある。
ただし、境内はあまり広くなく、お彼岸のお詣りの方が多くいらっしゃっているので、もしこれをお読みになり拝観に行かれるという方がいらっしゃったら、くれぐれもお檀家さんのおまいりのさまたげとならないよう配慮をお願いしたい。


仏像の印象
本尊の釈迦如来像は、像高は約50センチの坐像。一木造。内ぐりなく、脚部の一部まで一木でつくられ、古様である。9世紀ごろの作で、もちろんお寺の草創よりもはるかに古いが、来歴については不明。
頭部は大きく、目鼻立ちはくっきりとはしているが、目、鼻、口はそれぞれこぶりにつくられている。あごはしっかりとつくる。
上半身、とくに肌をあらわしている胸はたくましい印象。体をくるむ衣は、ひだが深い。脚部はしっかりと衣にくるまれて緊張感がある。足は左足を上にして組み、左足先まで衣にくるまれている。
螺髪と両手は後補。


さらに知りたい時は…
「国宝クラス仏をさがせ2 勝林寺釈迦如来像」(『芸術新潮』854)、瀬谷貴之、2021年2月
「生けるもの、逝きしものの魂を包み本来の寺の役割を全うする」(『コンフォルト』160)、秋川ゆか、2018年2月
『豊島区の仏像』、豊島区教育委員会生涯学習課文化財係、2000年


仏像探訪記/東京都