妙厳寺の地蔵菩薩像

  六地蔵中の2躰か

住所

豊川市豊川町1

 

 

訪問日 

2008年2月17日

 

 

 

拝観までの道

妙厳寺(みょうごんじ)は豊橋駅からJR飯田線で13分、豊川駅下車。または名鉄終点の豊川稲荷駅で下車、徒歩5分である。

 

総門を入るとすぐ左に寺宝館という名前の宝物館がある(年中無休)。その2階展示室に鎌倉時代の地蔵菩薩像2躰が展示されている。

 

 

寺宝館の入館料

400円

 

 

お寺のいわれなど

妙厳寺というとあまりなじみがないが、別名である豊川稲荷の方はよく知られている。正確には、妙厳寺というお寺の境内にある鎮守が豊川稲荷である。

稲荷というと神社のようだが、室町時代創建の禅寺である妙厳寺に属する仏教系の信仰ということで、伏見稲荷を中心とする稲荷信仰の体系とは別という。

 

豊川稲荷ホームページ

 

総門を入ると左に寺宝館、正面の山門の先にこの寺の中心的な建物である法堂(はっとう、禅宗寺院では講堂をこう呼ぶことが多い)、そしてその左奥に豊川稲荷の本殿が建つ。いずれも大きく立派な建物である。

寺宝館は、正しくは「豊川閣 寺寳館」といい、各時代に寄進された美術品や寺宝が展示され、仏教美術、絵画、工芸、文書など見ごたえがある。

 

 

拝観の環境

地蔵菩薩像は、ガラスケースの中に、厨子に2躰並んで安置されている。ガラスの写り込みが気になる。また、正面からしか見ることはできない。

 

 

仏像の印象

2躰の地蔵菩薩像は、像高は共に約77センチの立像で、ヒノキの寄木造。向って右の像は左手に宝珠、右手に錫杖を持つ(ただし右手先は後補)。一方、向って左の像は左手に宝珠を持ち、右手は何も持たずに下げる(与願印)。袈裟の着け方や襞(ひだ)の流れも異なっているが、共にほぼ直立の姿勢で、静かな表現、表情であり、もともと2躰一組で造られたものかと思わせる。しかし、地蔵二尊像をまつる教義的な根拠があるわけではない(六地蔵として造立されたうちの2躰が残った可能性もある)。

 

また、仔細に見ると、2躰には違いがある。目は、向って右の像(錫杖をとる像)は玉眼、左の像(与願印の像)は彫眼である。向って右の像の左肩や左手から垂下する衣に、印象的な曲線が用いられている。顔つきや上半身も、向って右の像の方がやや張りがあるようだ(ただし腕は向って左の像の方がやや前に出していて、側面観はおそらくこちらの像の方が厚みを感じさせると思われる)。

造像年代は鎌倉時代中、後期ごろと思われる。

 

 

さらに知りたい時は…

『愛知県史 別編 文化財3 彫刻』、愛知県史編さん委員会、2013年

『新編豊川市史 第5巻(資料編、原始・古代・中世)』、豊川市、2002年

『愛知県の文化財』中、愛知県教育委員会、1981年

 

 

仏像探訪記/愛知県