安国寺の阿弥陀如来像

造像は鎌倉時代にさかのぼるか

住所
大崎市古川柏崎字安国寺7


訪問日 
2026年5月8日


この仏像の姿は(外部リンク)
宮城県・指定文化財〈県指定有形文化財〉木造阿弥陀如来坐像



拝観までの道
陸羽東線の西古川駅下車、北西に徒歩約35分。または、ミヤコーバス色麻線で「高川橋」下車、北へ徒歩約30分。
拝観は事前連絡必要


拝観料
志納

 


お寺や仏像のいわれなど
足利尊氏、直義兄弟が夢窓疎石のすすめによって全国に設けたという安国寺と利生塔。実際には既存の寺を転用したものが多かったとも言われるが、現代まで続く寺院も多い。宮城県大崎市の陸奥国の安国寺もその1つである。臨済宗寺院。
創建は南北朝時代の初め、1339年。その後荒廃し、山内の一院であった常楽庵がかろうじて法灯を守った時期もあったそうだが、江戸時代に仙台藩の保護もあって復興を遂げた。

本尊の阿弥陀如来像の造立年代は安国寺が創建された南北朝時代と思われるが、鎌倉時代までさかのぼるのではないかとも言われてきた。東日本大震災後の修復で、材の中には鎌倉時代のものがあることがわかり、一方、江戸時代の修理の際の部材も多いことがわかったそうである。


拝観の環境
堂内、近くよりよく拝観させていただけた。


仏像の印象
阿弥陀如来像は像高約70センチの坐像で、寄木造、玉眼。
肉髻は低くつくられ、螺髪の粒は美しくよく揃う。目はやや釣り上がり気味で、玉眼が像に生気を与える。ほおはほどよい膨らみで、鼻は高く、顎は引き締まる。よく整ったお顔立ちである。
上半身は胸を広く見せ、胴は絞る。
脚部は足の肉づきをよく反映させてメリハリのある自然な様子である。
蓮華座は花びらを厚くし、しっかりと線を入れて華やかなものにしている。

両脇侍像は江戸時代の作。
脇壇の毘沙門天像はのちの彩色によってわかりにくくなっているが、古像とのことである。


さらに知りたい時は…
『宮城県の文化財 美術工芸品編1 (絵画・彫刻・工芸品)』、宮城県教育委員会、2019年


仏像探訪記/宮城県