談山神社の如意輪観音像

6、7月の観音講まつりで開扉

住所
桜井市多武峰319


訪問日 
2016年6月5日


この仏像の姿は(外部リンク)
奈良寺社ガイド


拝観までの道
桜井駅南口から談山神社行きバス(桜井市コミュニティバス多武峯線)に乗車し、終点下車。乗車時間は約25分。途中「聖林寺」バス停を通る路線である。バスの本数は日中1~2時間に一本。時刻は奈良交通バスのサイトで検索できる。

奈良バスナビ

終点で下車、その道をさらに先へと進んで案内板に従って右折し、しばらく行くと談山神社の西入口前に着く。またはバスが来た方を振り返ると大きな看板が立っているので、それに従って階段を下り、左、左と行って神社の正面入口に出る道もある(ただし正面入口が使えるのは秋の紅葉のシーズンのみ。それ以外は西の入口からの入場)。

如意輪観音像は毎年6、7月に行っている「観音講まつり」の期間開扉され、拝観できる。

 

談山神社ホームページ


拝観料
600円


お寺や仏像のいわれなど
創建は7世紀後半、中臣(藤原)鎌足の長子、定恵(じょうえ)が父の墓をここに移してまつったのがはじまりという。かつては妙楽寺といい、藤原氏ゆかりのお寺として栄えたが、比叡山末の天台寺院であったためもあって興福寺とは関係が悪く、たびたび衝突した。
桃山時代には秀吉の命で堂が破却されたりもしたが、江戸時代には復興。しかし近代の廃仏の時期に廃寺となり、あらたに談山神社となった。名前の由来は、鎌足が中大兄皇子と蘇我氏打倒を談じたからという。
寺院であった時代の名残りとして十三重塔をはじめ多くの仏教美術が伝来している。
塔は室町時代の再建。木造の十三重塔としては唯一のもので、どこから見ても絵になる実に美しい姿をしている。

西門を入って正面右手に建つ神廟拝所はもと妙楽寺の講堂だった建物である。中央に鎌足の像をまつる。
向かって左手、厨子中に安置されている如意輪観音像は、定恵が伝えた白檀の像と伝える(実際は鎌倉時代の作)。
6月と7月の2ヶ月間の「観音講まつり」の期間に開扉される。


拝観の環境
厨子のすぐ前から、よく拝観させていただける。


仏像の印象
「談峯如意輪観音像」とも称される美しい如意輪観音像である。
像高は約50センチ。檀像様の彫刻で、鎌倉時代前期ごろの作と考えられている。
額は比較的小さめにして、髪のたばは豊かに、目は切れ長にする。鼻の下の人中は短いがしっかりとあらわし、顎は大きくしっかりとつくる。
やや斜め下を向いている。
6本の腕は華奢で、上半身はゆったりとつくっているが、胸板は厚くせず、腰から脚部への移行が自然である。
へその下で巻いているヒモは腰布のものだろうか。この布が膝までかかっていて、おしゃれである。下肢の衣の流れも自然で優美な感じですばらしい。
光背、台座は室町時代の補作。


その他
講堂の旧本尊は阿弥陀三尊像だったが、同じ桜井市の安倍文殊院に移され、釈迦三尊像として安置されており、拝観できる。


さらに知りたい時は…
『談山神社の名宝』(展覧会図録)、 奈良国立博物館、2004年


仏像探訪記/奈良県