常覺寺の普賢延命菩薩像、釈迦如来像
平安時代後期の優美な姿
住所
五條市西吉野町黒淵1321
訪問日
2026年3月31日
この仏像の姿は(外部リンク)
賀名生のふげんさん壽命山常覺寺 当山の仏・風景
拝観までの道
常覺寺(常覚寺)は五条駅前より奈良交通バス城戸行きまたは特急バス新宮駅行きに乗車し、「黒渕口」下車。途中「賀名生(あのう)」とつくバス停をいくつか過ぎることから、かつて南朝が拠点とした山里とわかる。
「黒渕口」バス停は西吉野トンネルを抜けてすぐ。下車後、トンネルの口まで戻ると、斜め右に川(丹生川)に沿った道があるので、そこを入る。林の中をしばらく行き、抜けると小さな集落があり、その入り口に常覚寺がある。バス停から徒歩10分弱。
拝観は事前連絡必要。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
真言宗寺院。南朝ゆかりの寺でもある。
本尊の普賢延命像菩薩は空海がこの地に来て、自ら彫ったと伝える。しばらく前まで秘仏であったが、現在は拝観可能。
拝観の環境
堂内でよく拝観させていただけた。
普賢延命菩薩像の印象
像高約1メートルの坐像。割矧ぎ造。平安時代後期の作。
普賢延命菩薩像は、普賢菩薩が密教の普賢延命法という修法の本尊とされた時の尊像だそうだ。2臂像と20臂像があり、本像は左右10本ずつの20臂である。
蓮華座の下には頭に四天王をいただく4頭の像、さらにその下は大きな法輪を挟んで無数の小さな像が行儀よく並び支えている。蓮華座以下は後補であるが、普賢延命菩薩としての正式な台座の形をとっていて、貴重である。
全体に平安時代後期の優美な仏像の特色をよく備えた美しい像である。
顔立ちはたいへん穏やかであり、姿勢がよく、上半身は細身、左右の腕もバランスよく配置されている。
脚部の衣も浅く控えめに彫られ、足の起伏も抑えて上品である。
釈迦如来像について
本尊に向かって右奥に釈迦如来像が客仏としてまつられている。像高約160センチの立像。ヒノキの寄木造。
典型的な定朝様式の像と言える。ただしこの姿の像は多く3尺(像高約90センチ)でつくられたので、このような等身大の像は比較的珍しく、貴重である。
螺髪の粒は揃い、丸顔。体は長く、その分顔は小さめに見える。
とにかくクセの強いところがまったくなく、実に優美な姿である。なで肩で、腕はすらりとは伸びない。胸、腹は出ず、また絞らない。衣はお腹と両足の間を流れ、もものあたりはひだを刻まない。
さらに知りたい時は…
『西吉野村の仏像 西吉野村文化財調査報告書』、西吉野村教育委員会、2003年
→ 仏像探訪記/奈良県
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