極楽寺の阿弥陀如来像
像内が銀箔で荘厳されている
住所
奈良市別所町521
訪問日
2026年6月20日
拝観までの道
極楽寺は奈良市の東端、別所町というところにある。交通はJR奈良駅、近鉄奈良駅から1日に数本出ている奈良交通バス122系統北野行きに乗車し、「水間学校前」下車、南へ徒歩約30分。
地区の方が管理されており、拝観は事前連絡必要。
拝観料
志納
お寺や仏像のいわれなど
真言宗寺院。
平安時代の仏像が3体伝えられ、収蔵庫で保管されている。
これらの仏像が見出されたのは1951年のこと。当時は古民家のようなお堂の中に置かれていたそうだ。
阿弥陀如来像は等身大の定朝様の仏像で、像内が全面銀箔で荘厳されており、本当に珍しい。由来等伝わっていないことが残念だが、並々ならぬ由緒のある像であったろうと思われる。調査にあたった方もさぞ驚いたことだろう。
拝観の環境
庫内近くよりよく拝観させていただけた。
仏像の印象
阿弥陀如来像は像高約90センチの坐像。ヒノキの寄木造または割矧ぎ造。平安時代後期ごろの実に美しいお像である。
丸顔で、目は切れ長とし、螺髪は小さめに整い、肉髻はお椀を伏せたよう。穏やかな表情で、体躯も実にゆったりつくられている。定印を結ぶ手の様子も自然で、脚部も安定感があり、衣の流れも優美である。
不動明王像と地蔵菩薩像
阿弥陀如来像に向かって左側には不動明王像が立つ。像高はおよそ1メートル。巻毛で、片目をすがめ、牙を左右で上下に出している。恐ろしい形相だが、阿弥陀如来像と同じく平安時代後期の作で、その時代の像らしい気品がある。腰をわずかにひねるほかは体の動きはあまりなく、腹など太くあらわさず、自然な立ち姿。腰布を着け、その結び目を正面で大きくつくり、裙は短めにして足首を出している。
右側には地蔵菩薩が立つ。像高は110センチ余りと不動明王像よりも若干高い。顔は優美で、体つきも誇張せず、こちらも平安時代後期の穏やかな像である。
安産の信仰を集めてきた像で、願掛けの紙が腕に掛けられていたが、それがたくさんになり重くなってきたために像からはずし、足下に置かれている。
さらに知りたい時は…
『金と銀 かがやきの日本美術』(展覧会図録)、東京国立博物館、1999年
『大和古寺めぐり 奈良の古寺・かくれ寺をたずねる』、吉野正美、偕成社、1991年
『奈良県指定文化財』第1集、奈良県教育委員会、1956年
→ 仏像探訪記/奈良市
せきどよしおの仏像探訪記
ゆいまくんと百花さんの 21世紀国宝仏の旅