浄教寺の大日如来像

明恵上人ゆかりの像

住所
有田川町長田542


訪問日 
2026年2月24日


この仏像の姿は(外部リンク)
和歌山県立博物館・浄教寺の文化財



拝観までの道
交通は藤並駅から有鉄バスで「下津野」下車、北へ徒歩約20分。
藤並駅の観光案内所のレンタサイクルで来ることもできる。
拝観は事前連絡必要。


拝観料
志納


お寺や仏像のいわれなど
有田川の南岸にある浄土宗寺院。川を挟んで北東にあった最勝寺(廃寺)の寺宝を引き継いでおり、大日如来像もその中のひとつ(かつては浄教寺の前身が最勝寺といわれていたが、2寺が共に存在していた時期があることがわかってきた)。
鎌倉時代に華厳宗を中興した明恵上人高弁はこの地域出身で、最勝寺はそのゆかりの寺であり、大日如来像も明恵と関係が深い像と考えられている。

大日如来像は手が少し破損しているものの、お腹の前で両てのひらを合わせているので胎蔵界大日如来像とわかる。しかし、かつて明恵は大仏頂尊法という修法を行っており、その本尊である大仏頂尊像ではないかとも論じられる。あるいは、明恵が敬慕した仏眼仏母の像ではないかという意見もある。

浄教寺ホームページ


拝観の環境
大日如来像は収蔵庫内に安置され、近くよりよく拝観させていただける。


仏像の印象
像高約90センチの坐像。鎌倉時代前期の作で、快慶に近い作風の名像である。
顔つきは凛々しく、切れ長の目は玉眼が生気を放つ。眉は美しいカーブを描き、鼻筋は通り、口は小さめだが、しっかりとつくられている。額の上の髪はたっぷりとして、清楚な細い天冠台をつける。まげは高く大きくつくられ、何束にもわたって垂れる側面の様子はため息が出るほど美しい。
胸は大きく逞しく、胴でしっかりと絞る。脚部は左右によく張り、衣文の線がしっかりと刻まれる。


さらに知りたい時は…
『浄教寺の文化財(改訂版)」、大河内智之編、清流山浄教寺、2021年
「ほっとけない仏たち66 浄教寺の大日如来」(『目の眼』537)、青木淳、2021年6月
『移動する仏像』(展覧会図録)、和歌山県立博物館、2010年
「仏像を訪ねて9 浄教寺の大日如来像」(『電気協会報』937)、藤岡穣、2002年12月
『紀伊路の仏像』(『日本の美術』225)、松島健編、至文堂、1985年2月


仏像探訪記/和歌山県