正覚院の釈迦如来像

花まつりの日に開帳

住所
八千代市村上1530番地1


訪問日 
2017年4月8日


この仏像の姿は(外部リンク)
八千代市・文化財



拝観までの道
正覚院鴛鴦寺(しょうかくいんおうえんじ)は東葉高速線の村上駅下車、北へ徒歩約15分。
釈迦堂の本尊の清凉寺式釈迦如来像は秘仏で、年に一度、花まつりの日に開扉となる。
正覚院の花まつりは、以前は本来の4月8日に行われていたが、近年は4月8日に近い日曜日(または土曜日)となっている。2016年は4月3日(日)、2017年には8日(土)に開催された。


拝観料
特に拝観料等の設定はなかった


お寺や仏像のいわれなど
真言宗寺院。
寺伝によると、保元年間というから12世紀のなかば、狩りを好んだ平入道真円という人が雄のオシドリを射とめたところ、つがいのメスが人の姿となってあらわれ、真円は深く悔い、寺を建てて鴛鴦寺としたという。
また、清和天皇のころ(9世紀後半)、天台宗の智証大師円珍が夢告によって仏像を刻むと、どこからともなく仏工があらわれて、ともにつくったのが釈迦堂の本尊釈迦如来像だとも伝える。
この釈迦如来像は京都・清凉寺に伝わる釈迦如来像の模刻像である。銘文等はなく、造像年は知られない。江戸時代前期の修理銘札が納入されており、釈迦堂も同じ時期の再建であるらしい。
なお、千葉県内にで本像以外では永興寺(茂原市)に清凉寺式釈迦如来像が伝来し、こちらは1273年の作と知られる。また、鎌倉・極楽寺本尊の清涼寺式釈迦如来像は1297年の銘文がある。本像もその頃の作であろうか。


拝観の環境
私が訪れたのは花まつりの日の午後3時過ぎで、法要が終わったあとの時間だった。
雨天ということもあり堂内は暗く、外陣からの拝観のために細部までよく見ることは難しかった。


仏像の印象
釈迦如来像は像高約170センチの立像。カヤの寄木造で、玉眼。ほぼ素地であるが、顔には彩色のあとがあるという。
面長で、眉を高くあげる。表情は柔和でなく、むしろ険しい印象がある。
光背は周辺部は後補だが、中心部は当初のものであるのは貴重である。


その他
東へ数分行ったところに八千代市立郷土博物館があり、本像を縮小したレプリカが常設展示されている。


さらに知りたい時は…

『生身と霊験 宗教的意味を踏まえた仏像の基礎的調査研究』(『東国乃仏像』三)、有賀祥隆ほか、2014年

『八千代市の歴史と 通史編』、八千代市史編さん委員会、2008年


仏像探訪記/千葉県