西光寺の薬師如来像
堂々たる平安仏
住所
丹波篠山市畑市296
訪問日
2025年11月11日
この仏像の姿は(外部リンク)
カンテレ・ほとけんさく
拝観までの道
西光寺へは、JR篠山口駅より神姫バス福住行きで「波々伯部前(ほうかべまえ)」下車、南へ徒歩約10分。しかし、このバスは便数が少ない。
悪天候でなければ、篠山口駅東口にあるレンタサイクルを使うのがよい。電動アシスト付きもある。
駅から東へ12キロくらい。国道372号の宮ノ前交差点で右折(南へ)し、道なりに約400メートル行った右手。こぐスピードによるが、筆者の場合1時間くらいだった。
拝観料
300円
お寺や仏像のいわれなど
曹洞宗寺院。行基草創を伝える古刹である。行基が弥十郎ヶ嶽(西光寺の南にある700メートル級の山)に設けた石窟寺の一院であったともいう。本尊は観音で、薬師堂に薬師如来をまつったと伝える。
かつては現在地より山側にあり、茅葺きの本堂と庫裡があり、戦後に最後の住職(尼僧)が亡くなったあとは無住となって荒れてしまっていたが、仏像の保存を図るために、1960年代に今の場所に収蔵庫をつくり移したそうだ。
集落十数戸の方々がお寺を守っている。
拝観の環境
堂内近くより拝観させていただけた。横からも像を見ることができる。
仏像の印象
本尊の薬師如来像は像高約160センチの坐像。半丈六を越える大きさの実に堂々とした仏像である。カツラの一木造で背グリがある。
大きな肉髻は地髪から自然な立ち上がりを見せる。螺髪はあまり綺麗には揃わない。髪際は真っ直ぐ。
眉は力強い弧を描き、目は切れ長、鼻は高く鼻筋はよく通り、整った落ち着いた表情をしている。しかし横にまわると抑揚のある深い彫りの顔立ちで、面奥も厚く、さらに強い印象をもって迫ってくる。
上半身も厚みがあり、非常に力強い。
衣のひだはそれほど太く、深くは刻まれず、平行線を描くが、近くより拝すると一本一本が丁寧に刻まれているのがわかり、厚い信仰心のもとでつくられたことがしみじみ感じられる。
四天王像について
薬師如来像の前には四天王像が立つ。本来は壇の4隅に置かれていたのだろうが、スペースの関係でこのように安置されているのだろう。
像高は約120センチ。前列向かって右が持国天、左に増長天、その後ろに広目天、その右に多聞天であるが、広目天以外の3天が薬師如来と共に戦前に文化財指定されたのに対し、広目天のみ指定を外れ、1970年に町指定文化財(現在は市指定)となっている。確かに広目天像のみ作風が異なり、太づくりで、表情は生々しい。傷みが進んで後補部分が大きいということなのか、しかしそれでいてなかなか魅力ある像だと思う。
持国天、増長天は上半身は細く、下半身はどっしりとつくり、腰にひねりを入れる。動きはややぎこちなく、鎧の衣装などは簡潔である。多聞天像は口を開き、股間を守る鎧のパーツが反っているところなど、動きを的確に表現している。
さらに知りたい時は…
『新TV見仏記』30(DVD作品)、関西テレビ放送、2019年
「丹波篠山の隠れた名仏 磯宮八幡神社から西光寺へ」(『大法輪』72巻6号)、白木利幸、2005年6月
『ふるさとのみほとけー兵庫の仏像』(展覧会図録)、兵庫県立歴史博物館、1984年
→ 仏像探訪記/兵庫県
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