長谷寺の阿弥陀如来像
海から流れ着いたという伝説をもつ
住所
下田市田牛156
訪問日
2013年6月22日
この仏像の姿は(外部リンク)
拝観までの道
長谷寺(ちょうこくじ)のある下田市田牛(とうじ)は、下田市の西南端、南伊豆町との自治体の境にある。
交通は下田駅前からバスがあるが、本数が少ない。
筆者は南伊豆町の正善寺を拝観したあと、徒歩で長谷寺へと向い、帰りは午後1便あるバスで下田に戻った(東南に徒歩5分くらいでバス停「田牛」またはそのひとつ下田駅寄りの「前の浜」に着く。ただし午後に1便だけある下田駅前行きのこのバスは休日運休なので注意)。
正善寺からは長谷寺までの道のりは次の通り。
国道136号(マーガレットライン)と県道16号が分岐するT字路(「日野」」の交差点、南伊豆東小学校の前)まで戻り、そのすぐ南側を東へと入る。坂道を10分くらい上がると町の清掃センターがあり、その先が短いトンネルになっている。ここから下田市に入る。もっとも市内といっても人家もまばらな田園地帯で、歩くこと25分くらい、ようやく田牛の集落に入るとまもなく左側に長谷寺がある。正善寺から45分くらいの道のりである。
拝観は庫裏に申し出る。
拝観料
特に拝観料等の設定はなかった。
お寺や仏像のいわれなど
このお寺は行基の草創といい、かつては真言宗であったらしい。現在は曹洞宗。
本尊は阿弥陀如来像で、平安時代末期ごろの作。江戸中期の木札によれば、1180年に海より流れ着いた像という。
拝観の環境
本尊は本堂中央の壇上、高い位置におまつりされている。
ライトをつけてくださるので、よく拝観できる。
仏像の印象
像高約90センチの坐像。材は針葉樹(ヒノキまたはカヤ)で、前後2材を寄せる。手は定印、左足を上にして組む。
素朴で親しみやすさを感じさせる像である。
半球形に高い肉髻。四角い顔。目、鼻、口は小さく、額も狭く、顎だけがしっかりとつくられている。目は細く浅く刻む。
一方肩幅は広く、胸もゆったりと大きい。脚部の衣は浅くひだを刻むが部分的に大波の間に小波をつくり出す。
面奥は深く、大きな耳は後ろぎみについている。
さらに知りたい時は…
「伊豆の仏像を巡る」28(『伊豆新聞』2012年12月16日)、田島整
『静岡の仏像めぐり』、静岡新聞社、2005年
『伊豆の仏像 南部編』、上原仏教美術館、1992年