能満寺の薬師如来像
「羽下薬師」
住所
宇都宮市駒生町1870
訪問日
2010年12月12日
この仏像の姿は(外部サイト)
拝観までの道
JR宇都宮駅から西北西へ。大谷石の産地として知られる大谷への道(大谷街道)を進み、東北自動車道を越えたら南へ。能満寺(真言宗)というお寺の境内の六角堂に「羽下(はじた)薬師」がまつられている。
交通は、JR宇都宮駅の西口のバスターミナルから大谷経由立岩行きまたは荒針経由新鹿沼行き関東自動車バスに乗車し、「山崎街道入口」か「鎧川」で下車、徒歩約10分。
能満寺の庫裏に申し出ると、お堂を開扉して拝観させていただける。
拝観料
特に拝観料は設定されていなかった。
仏像のいわれ
もと、ここから西1キロあまりの下荒針町羽下の薬師堂の厨子中に安置されていた。
以前の写真を見ると相当に傷みが進んでいたようだが、1994年に修理され、この寺の境内に移されてきた。
拝観の環境
ガラスごしだが、近い距離から拝観できる。
仏像の印象
薬師如来像は像高約120センチ、カヤの一木造。内ぐりもない、古様なつくりである。
平安前期彫刻の力強さを受け継ぎつつ、やや形式的になったところのある仏像といえる。膝の厚みなどはそれほどでないが、つり上がる目、ふくらみのあるまぶた、たくましい上半身など、魅力的な像。衣の襞(ひだ)も太くあらわされる。
厳しい環境の中に安置されていた時代が長かったようで、螺髪、両手、両足ほか後補や後の手が入った部分が大きい。
さらに知りたい時は…
『鑑真和上と下野薬師寺 天下三戒壇でつながる信仰の場』(展覧会図録)、栃木県立博物館、2022年
「ほっとけない仏たち51 能満寺薬師如来」(『目の眼』522)、青木淳、2020年3月
「下野の仏像」(『国華』1339)、北口英雄、2007年5月
「栃木県の平安仏<一木彫について>1」(『宇都宮大学教育学部紀要』37)、日原公大・北口英雄、1987年