谷保天満宮の獅子狛犬
毎日曜日と祝日に公開
住所
国立市谷保5209
訪問日
2010年11月3日、 2017年6月4日
この像の姿(外部リンク)
拝観までの道
谷保(やぼ)天満宮はJR南武線谷保(やほ)駅下車、南へ徒歩5分。
鳥居をくぐると、下り坂の参道が神社の林へと導く。その先石段を下ると、社務所と拝殿・本殿がある。
入口から下っていく神社というのも珍しいと思うが、境内が多摩川北岸の雄大な河岸段丘に沿って設けられているためである。
木造の獅子・狛犬像は社務所の2階にある宝物館に安置されていて、日曜・祝日に拝観できる。
拝観料
宝物館入館は無料。
神社、像のいわれ
草創は、神社に伝わる縁起などによれば、菅原道真の三男がこの地に流され、父の死を知ってその像を刻み、まつったのがそのはじめという。湯島天神、亀戸天神とともに関東三天神とされている。
獅子・狛犬像は、像高各50センチ余り。寄木造、玉眼。鎌倉時代の作である。もと本殿に安置されていたそうだが、現在は宝物館に移されている。
宝物館は2002年、祭神菅原道真の1100年式年大祭を記念して開館した。
拝観の環境
獅子・狛犬像は、宝物館の正面奥のガラスケース中に置かれる。近くからよく拝観できる。
像の印象
向って右、耳を立て、開口し、たてがみを巻き気味にしている方が獅子、向って左、耳を伏せ、閉口し、たてがみは巻かずに下がっている方が狛犬である。
狛犬は角を一本つけていたと思われるが、亡失。
ともに前足は片足を少し引き、首をややめぐらす。
彫りの深い顔つきで、表情には諧謔味がある。下半身まで堂々とつくられている。
中世の木造狛犬像を代表する優品として、2003年に重要文化財指定された。
さらに知りたい時は…
『月刊文化財』477、文化庁文化財部、2003年6月
『狛犬』(『日本の美術』279)、伊東史朗、至文堂、1989年8月
『国立市史』上、国立市史編さん委員会、1988年