武蔵国分寺跡資料館展示の観音菩薩像
古代の道の遺跡の上から発掘された金銅仏
住所
国分寺市西元町1-13-10
訪問日
2010年9月7日
館までの道
JR西国分寺駅下車、東南へ徒歩約15分。または、JR国分寺駅より西南へ徒歩約20分。
「おたかの道湧水園」の中にある。月曜日は休み。
入園料
一般100円
仏像のいわれ
かつてこの地にあった武蔵国分寺の法灯を継ぐ現在の国分寺の東側に、「おたかの道湧水園・武蔵国分寺跡資料館」がある。2009年10月に開館した新しい施設で、創建期国分寺の発掘の成果などがわかりやすく展示されている。
ここで常設展示されている銅造の観音菩薩立像(国分寺市教育委員会蔵)は、1982年に、国分寺とその西側にあった国分尼寺との間の古代の道の跡の上面から発見された仏像である。
展示の環境
独立ケース中に展示されている。ガラス越しではあるが、間近で、また横からもよく見学できる。
仏像の印象
像高は30センチ弱の立像。7世紀後半から8世紀初頭の、いわゆる白鳳期の像と思われる。
表面は荒れて、目鼻立ちは分かりにくいが、頭部が大きめにつくられた、素朴で可愛らしい像である。
低い三面宝冠をいただき、その正面には化仏があらわされているので、観音像とわかる。
胸は広いが扁平で、その下の腹は突き出している。胸から膝にかけて賑やかにアクセサリーをまとう。左手の肘から先は欠失。左足をわずかに遊ばせている。
その他
同じ展示室内には、1326年(鎌倉末期)の銘をもつ板碑(阿弥陀三尊来迎図画像板碑)なども展示されている。風化が進んでいず、くっきりした画像が美しい。
さらに知りたい時は…
『見学ガイド 武蔵国分寺のはなし』(改訂版)、国分寺市教育委員会、2002年
「武蔵国分寺跡附近出土の観音菩薩立像」(『美術研究』321)、久野健、1982年9月