大國魂神社の狛犬像

  日、祝、祭礼の日に宝物殿を公開

住所

府中市宮町3-1

 

 

訪問日

2009年9月21日、 2014年10月18日

 

 

この仏像の姿(外部リンク)

大國魂神社・宝物殿

 

 

拝観までの道

大國魂(おおくにたま)神社は、京王線の府中駅から南へ5〜10分。またはJR南武線の府中本町から東北へ約5分。府中駅からは参道を通ってくる正面からのルート。府中本町駅から行く場合は西側の門から入る。

西門の脇に宝物殿があり、日曜、祝日と祭礼日に公開されている。

 

 

拝観料

入館料200円

 

 

神社や狛犬像のいわれ

この神社は武蔵総社と呼ばれ、この地域を代表する神社である。

木造狛犬一対は、もと中門(現存せず)にあったという。

 

 

拝観の環境

宝物殿の1階には神輿や大太鼓が置かれ、2階に神宝類が展示されている。

2階に上がって右手奥のガラスケースの中に狛犬一対が展示されている。向って右に口を開いた阿形、左に口を閉じた吽形が置かれている。

 

 

像の印象

像高各70センチ余り、木造狛犬としては大型の像である。

顔を大きくつくり、胸を前に張り出し、前足をぐっと張って堂々と座る。太い胴は背を丸めて自然な姿で腰をおろしている、顔は凹凸を強調して、迫力を出す。吽形の像内に鎌倉中期の1260年を示す墨書銘札が納入されているそうで、なるほど鎌倉彫刻らしい名品と思う。

 

狛犬一対と呼ぶが、実は阿形は獅子、吽形は狛犬である。これらはもともとの源流は同じ西方のライオンなのだろうが、別々の伝来過程で異なる霊獣とされ、それが日本で組み合わされて、左右一対とされたようだ。

この像も阿形は正面を向くが、吽形は左前足を若干前に出し、体を少しひねり、首もややかしげるというように、同じような姿ながら変化をつけている。たてがみや耳の形も変えて変化をつけ、また吽形像には小さな角がついている。阿形像の方が迫力があり、吽形像はしぐさがかわいらしい。

 

 

その他

狛犬像の右側に5躰の仏像が並んでいる。如来形が3躰、菩薩形と天部形がそれぞれ1躰、35センチ前後の立像で、一木造、蓮肉まで共木から彫り出してつくられている。元は本殿内に安置されていたといい、本地仏としてまつられていたものと思われる。顔つきや衣のひだは素朴に刻まれ、体の奥行きは薄い。

 

 

さらに知りたい時は…

『狛犬』(『日本の美術』279)、伊東史朗、至文堂、1989年8月

『府中市の仏像』、府中市郷土館、1981年

 

 

仏像探訪記/東京都