観音寺(宇奈根)の十一面観音像

1月1日、8月1日に開扉

住所

世田谷区宇奈根2-24-2

 

 

訪問日 

2019年1月1日

 

 

この仏像の姿は(外部リンク)

世田谷区・文化財

 

 

拝観までの道

交通は、小田急線や東急線のいくつかの駅からバスがある。最寄りバス停は「宇奈根地区会館」で、二子玉川駅から東急バス玉05系統(二子玉川駅行きの循環バス)か、狛江駅から狛12系統の小田急バスで行ける。

ほかにも、二子玉川駅と成城学園駅を結ぶ東急バスの「下宿」バス停や、狛江駅から喜多見住宅行き小田急バスの終点「喜多見住宅」バス停からは10分以内で歩いて行くことができる。

 

本尊の十一面観音像は秘仏で、年に2度、1月1日と8月1日に開扉される。

 

 

拝観料

志納

 

 

お寺や仏像のいわれなど

お寺のある宇奈根は世田谷区の西南部にあり、西は狛江市、南は多摩川をはさんで川崎市となる。おもしろいのは、多摩川対岸の川崎市にも宇奈根の地名が残ることだ。かつて多摩川は氾濫によって流路を変えることがたびたびであったので、今は東京、神奈川にわかれている宇奈根だが、ある時期には1つの村落だったのだろう。

 

観音寺は、天台宗寺院。戦国時代の小田原に創建された圓正寺がそのはじまりと伝え、のちにこの場所に移り、寺号を観音寺と改めたという。20世紀なかば、東京大空襲によって本堂などが焼けたが、本尊などは無事であった。その後鉄筋コンクリートで本堂が再建された。

 

本尊の十一面観音像は平安時代の後・末期ごろの仏像なので、お寺の歴史よりもはるかに古い。もともとはどこのお寺にまつられていたのかなど、不明である。

 

 

拝観の環境

本堂中央の厨子中に安置される。堂内は明るいが、拝観位置からはやや距離があるので、一眼鏡のようなものがあるとよい。

 

 

仏像の印象

像高はおよそ1メートルの立像。一木造で、背から大きくくりを入れる。

地方的な素朴な印象がある仏像である。

左手は曲げ、胸前で水瓶をとり、右手は下げて、てのひらをこちらに向ける。手はあまり長くせず、こちらに手を差し伸べてくださっているようである。

胴は絞り、腰は左側にひねって、右足をやや斜めに出している。肩から腕、腰のひねりはややぎこちなく、洗練されないが、それゆえのやさしさ、暖かみがある。衣の彫りは浅い。

目や眉も浅めに彫り、鼻は細く、口は小さめで、鼻口は接近する。

顔立ちも素朴でやさしさが感じられる。

 

 

さらに知りたい時は…

『世田谷区文化財調査報告書』16、世田谷区教育委員会、2007年

 

 

仏像探訪記/東京都