能生白山神社の観音像

  可憐なほほえみの仏さま

住所

糸魚川市大字能生7239

 

 

訪問日 

2007年6月3日  

 

 

この仏像の姿は(外部リンク)

糸魚川市役所・市内の指定・登録文化財(国指定文化財詳細)

 

 

 

拝観までの道

北陸線の直江津と糸魚川の間に能生(のう)という名前の駅がある。

能生白山神社は能生駅の北東、徒歩15分から20分くらいのところにある。駅の前を海岸の方へ向かい、最初の信号(スーパーマーケットのサンエイがある交差点)を右折、その道はやがてトンネルに入るが、その手前左手である。

 

拝観には氏子総代への事前予約が必要で、糸魚川市教育委員会に問い合わせること(電話025-552-1511)

 

 

拝観料

200円

 

 

能生白山神社について

この神社には、かつて宝光院という寺院が隣接していた。寺と神社が深く結びつく神仏習合の形態である。

能生白山神社には小さな宝物館があり、木造や銅造の仏像が保管されているが、それは、宝光院が近代初頭に廃絶したのちに移されたものおよび、裏の社叢林から出土したものである。木彫・銅造の仏像や懸仏などが安置されている。

 

 

拝観の環境

すぐ前で拝観できるが、厨子内に安置されているので、正面からのみの拝観となる。

 

 

仏像の印象

聖観音像と伝えられる像は、像高約1メートルのこぶりな立像である。

素地をあらわし、手は失われ、足先も後補となっている。サクラの一木造で、背中からくりを施す。頭上面がつけられていた痕が残るため、本来は十一面観音像あるいは千手観音像であったらしい。複数の腕がつけられていたようだが、千手観音のように多くの脇手がついた痕跡はないので、四臂の十一面観音像であった可能性が高いと思われる。白山神社本地仏として造られた仏像だったであろう。

 

髪は低く結い、髪束を四方に垂らしている。丸顔で目は伏し目がちであり、優しい表情である。肉付きは薄く、衣紋の彫りは浅く、畳んだ襞の線が丁寧に表現されるなど、平安時代後期の穏やかな作風である。顔はやや前方に突き出しており、それが子どもの表情を連想させる。下から見上げると笑って見え、いっそう可愛らしく感じられる。

 

 

その他

2007年7月の新潟県中越沖地震により、仏像には被害はなかったものの宝物館の壁にひびが入る等の被害があった。しばらく拝観は難しいと思われる。

 

 

もっと知りたい時は…

『新潟の仏像展』(展覧会図録、新潟県立近代美術館、2006年)

 

 

仏像探訪記/新潟県