瑞巌寺の不動明王二童子像

秘仏五大明王の前立ち仏と伝えられる

住所
松島町松島町内91番地


訪問日 
2021年10月3日


この仏像の姿は(外部リンク)
瑞巌寺宝物館


拝観までの道
仙石線の松島海岸駅から徒歩6~7分、東北本線の松島駅からは徒歩約20分。
拝観時間は月によってかわるので、お寺のホームページを見て確認して行くとよい。


拝観料
700円(本堂拝観と共通)


お寺や仏像のいわれなど
松島の瑞巌寺は宮城県民謡でも知られる有名寺院である。
平安時代につくられた天台宗の寺院、延福寺が前身という。鎌倉時代に臨済宗寺院となり、円福寺という名になり、伊達政宗が再興したものが瑞巌寺である。
瑞巌寺の境外仏堂である五大堂には秘仏五大明王がまつられているが、その前立ちであったという像が不動明王と二童子の像で、現在は寺内の宝物館(青龍殿)で常設展示されている。


拝観の環境
展示ケースの中に置かれ、よく見ることができる。


仏像の印象
三尊とも立像。像高は、不動明王像がおよそ1メートル、二童子像は50センチ強。ともにカツラの割矧ぎ造だが、一部にヒノキが使われているという。目は彫眼。鎌倉時代の作である。
不動明王像はほぼ直立するが、左足を半歩外側に出して、腰を少しひねる。腰はボリュームがあって魅力的である。顔だちは四角ばり、ひそめた眉、への字に結んだ口、太くうねる巻き毛が印象的である。腰布を着け、正面で大きな結び目をつける。その下の裙は2段に下がる。太い腹や衣のひだの描写はややあか抜けないが、それがまた印象的でもある。

二童子は向かって左の制吒迦童子は悪ガキのように斜め下をにらみ、マントを片手でつかんで、次の動作に移ろうとする動きがある。一方、矜羯羅童子は斜め上を向き、ひたむきに合掌する姿は少女像のようである。


さらに知りたい時は…
「資料紹介 松島・瑞巌寺の不動明王および二童子像」(『仏教芸術』258)、山本勉、2001年9月


仏像探訪記/宮城県