太融寺の千手観音像

1月18日に開扉

住所
大阪市北区太融寺町3-7


訪問日 
2024年1月18日


この仏像の姿は(外部リンク)
太融寺ホームページ・縁起・本尊



拝観までの道
太融寺(たいゆうじ)は大阪駅、梅田駅から東へ徒歩10分の商業地の中にある真言宗寺院である。近くの新御堂筋の交差点まで、梅田方面から地下道で来ることができる。
本尊の十一面観音像は平安時代の一木造の仏像。秘仏で、1月18日の初観音の日に開扉される。


拝観料
志納


お寺や仏像のいわれなど
寺伝では、空海によって創建され、嵯峨天皇の子源融(とおる)によって七堂伽藍が整備されたといい、太融寺の融は源融の名から取って名づけられたとのこと。
江戸初期の大坂の役、20世紀の大阪空襲で打撃を受けたが、再建が進められて、今見るような大きなお寺として復興をとげた。
境内には豊臣秀頼の母、淀殿の墓がある。また、自由民権運動を担った愛国社の大会がこの寺でもたれたなどを記念し、「近代日本政党政治発祥の地」の碑も立っている。


拝観の環境
1月18日の日中は厨子の扉が開かれているが、外陣からの拝観となるため、やや距離がある。一眼鏡のようなものがあるとよいかもしれない。
なお、このお寺では毎月18日に本堂で観音経の読誦会を開いている。1月18日に限っては読誦会の終了後に参加者は内陣でのお詣りができる。開始時間の13時には本堂内は数十人の人でいっぱいとなるので、若干早めに着くようにするとよい。
会はお坊さんのあいさつがあって、観音経を1巻、皆さんで声を揃えて読み、35分から40分くらい。なお、経本はお貸しいただける。
その後内陣へと向かい、本尊の前で拝観させていただくことができる。ただし、参加の全員がお詣りを終えると終了となるので、時間としては短い。


仏像の印象
千手観音像は像高約1メートル。一木造。
とても美しい仏像である。穏やかな表情、浅い衣文のつくりから、平安時代後期ごろの作と知られる。
眉はあまり高々とした弧を描かず、口は小さめに、あごはしっかりとつくる。
ややなで肩とし、上半身はゆったりと、胴はあまり絞らず、お腹は大きくはつくらず、下半身はそれほど長くしない。全体にゆったりして、落ち着きがある。


さらに知りたい時は…
『太融寺千手観音菩薩立像について』(『大阪市文化財総合調査報告書』67)、大阪市教育委員会事務局生涯学習部文化財保護課、2006年


仏像探訪記/大阪府