紺屋区の馬頭観音像、虚空蔵堂の虚空蔵菩薩像

馬頭観音像は1月18日、8月9日に開扉

紺屋地区の馬頭観音像をまつるお堂(右側)
紺屋地区の馬頭観音像をまつるお堂(右側)

住所
大多喜町紺屋(馬頭観音)
大多喜町泉水(虚空蔵菩薩)


訪問日 
2023年8月9日


この仏像の姿は(外部リンク)
千葉県教育委員会・県指定有形文化財(虚空蔵菩薩像)



大多喜町紺屋区の馬頭観音像について
いすみ鉄道の大多喜駅下車、北側へ線路をわたると間もなく大多喜町自動車学校がある。駅から徒歩7〜8分。ここに昔、観音寺というお寺があった。江戸時代には大多喜城主の祈願所で、馬頭観音像はその本尊であったという。
今は自動車学校の手前左側のお堂にまつられ、この地区、紺屋(こうや)区の方が管理をされている。
普段は公開せず、1月の初観音(1月18日)と8月の四万六千日(8月9日)に開扉する。
私は8月のご開帳にうかがったのだが、10時頃に到着したところ、ちょうど地区の方々がお堂を開いてご法要の準備をしているところで、11時からご法要とのことだった。堂内で近い距離より拝観させていただくことができた。


馬頭観音像の印象
馬頭観音像は像高約90センチの立像。サクラの一木造で内ぐりもほどこさない古様なつくりだが、おだやかな様式から平安後期頃の作と考えられている。
頭部は小さく、下半身は長く、一体何等身になるだろうかと思うほど。左右に小さな面をつけて合計三面とする。正面の顔は目をいからせ、口もとをきびしく引き締めるが、怒りを誇張してあらわさず、上品な印象がある。
手は6本。いずれも小ぶりにつくる。
下半身はすらりとして、細い天衣が横切るさまとともに、気持ちよいほどの整い方である。浅く、省略気味につくられた衣のひだや、ゆったりと丸味をおびる下腹部もとても美しい。

馬頭観音像
馬頭観音像

泉水地区の虚空蔵堂について
馬頭観音のお堂から北西に徒歩15分くらい歩いたところに、虚空蔵堂がある。
PC上の地図では、六所神社と書かれているところである。
大多喜町泉水(せんずい)という地区で、ここには昔、泉水寺というお寺があったといい、また山岳信仰との関係、神社の本地仏といったことも考えられるとのこと。
今は仁王門と虚空蔵堂が残る。仁王門は江戸時代の建物。門をくぐった正面の石段を上りきったところに虚空蔵堂がたっている。耐火建築のりっぱなお堂で、正面のガラスの部分から中を見ることができる。中は薄暗いが、仏像が大きいので、まずまず姿はわかる。


虚空蔵菩薩像の印象
虚空蔵菩薩像は像高約150センチの坐像で、とても堂々とした姿をしている。
カヤの寄木造という。鎌倉時代後期から室町時代頃の作だそうだ。
大きな冠をつけ、目は小さめ、左右の眉が連なる。額は大きくとり、あごは引き締まる。やや生々しい表情に思える。
体は四角張り、怒り肩、体躯も堂々としている。条帛は細め。左手は蓮華の茎を持つ。脚部は横の張りはそれほどでもないが、高くつくる。
衣のひだはやや単調であるがしっかりと刻まれる。


さらに知りたい時は…
「ほっとけない仏たち16 紺屋地区の馬頭観音像」(『目の眼』481)、青木淳、2016年10月
『房総の神と仏』(展覧会図録)、千葉市美術館、1999年
『房総の仏像彫刻』、千葉県教育委員会、1993年


仏像探訪記/千葉県

虚空蔵堂
虚空蔵堂