正印寺の薬師如来像

年1日、4月に開帳

住所

宮津市宮村532

 

 

訪問日 

2018年4月8日

 

 

 

拝観までの道

宮津駅と福知山駅を結ぶ京都丹後鉄道宮福線で宮津駅から南に1駅行った宮村駅から北北東に徒歩約5分。宮津駅からも歩ける距離。

 

平安時代の薬師如来像は本堂に向かって左手のお堂に安置され、年に1回、4月上旬の土曜日・日曜日のいずれかに開扉される。村祭りとの関係で日程は毎年変わる可能性があるということで、お寺に問い合わせてから拝観に来てほしいとのこと。

筆者がうかがった2018年は4月8日が開扉日だった。10時半過ぎに着くと、堂内でのご法要が終わったところで、よく拝観させていただけた。

 

 

拝観料

志納

 

 

お寺や仏像のいわれなど

正印寺は曹洞宗寺院で、創立(あるいは中興)は江戸前期。従って薬師如来像の方がはるかに古い。本来の安置寺院は不詳。

 

拝観させていただいていると、村の方が次々と訪れ、昨年のお守りを奉納して、今年のお守りをいただいてお帰りになってゆく。地域の方の信仰厚い仏さまであることがよくわかる。

 

 

拝観の環境

堂内、近くより拝観させていただくことができた。

 

 

仏像の印象

薬師如来像は像高約85センチの坐像で、カヤの一木造。

右手のてのひらをこちらに向け、左手で薬壷を持つ。ただし、手の先と脚部は後補である。また全体に傷みも進んでいるが、それを補ってありあまる存在感がある。

螺髪は細かい粒を刻み出す。肉髻は高くせり上がってきたかのようだ。一方、目鼻口はそれぞれ控えめで、またよく整うが、顔の中心部はきれいな肌を見せているので、彫り直されているのかもしれない。

顔は四角張り、肩は怒り肩とする。肩から胸にかけての肉付きの表現、盛り上がるさまは素晴らしい。

腹はあまり出さないが、2本の陰刻線で豊かに肉がついている様子を表現している。

 

 

さらに知りたい時は…

『若狭・丹後の仏像』(『日本の美術』223)、鷲塚泰光、至文堂、1984年

 

 

仏像探訪記/京都府