大智寺の文殊菩薩像

  行基が架けた橋の柱からつくられたとされる

 

住所

木津川市木津町木津雲村42-1 

 

 

訪問日 

2015年11月8日

 

 

この仏像の姿は(外部リンク)
木津川市観光ガイド・木津川市の文化財

 

 

 

拝観までの道

大智寺(だいちじ)は木津駅の北西、徒歩10分のところにある。すぐ北は木津川。

拝観は事前連絡必要。

 

木津川市観光ガイド・大智寺

 

 

拝観料

300円

 

 

お寺や仏像のいわれなど

真言律宗のお寺。

かつて行基が木津川に橋を架けたが、それがのちに流され、鎌倉時代後期に再び架橋しようとした。すると、川の中に残っていたかつての橋の柱が光るのが見えたので、この木から文殊菩薩を刻んで本尊とし、橋柱寺としたと伝える。

江戸時代前期に再興され、橋柱山大智寺と名を改めた。

 

 

拝観の環境

本尊は鎌倉時代後期の文殊菩薩像。

本堂中央の厨子中にあり、暗いが、お寺の方がライトを貸してくださった。

 

 

仏像の印象

像高約70センチ。獅子に乗り、左足を踏み下げた形である。

華やかな服を着し、剣と蓮を持ち、右足を前にはずして座る姿である。玉眼がすがすがしく、目をつり上げ気味にしないので(見上げるとむしろ垂れ目気味に見え)、親しみのある表情がとても魅力的である。

やや面長で、顔の凹凸を誇張しない。

なで肩とし、自然な姿勢で、下肢の衣の流れもリズム感がある。

 

*像内に納入品があることがCTスキャン調査で明らかになった。特に首のあたりに木製の厨子が籠められ、その中に布とみられる巾着につつまれて2.7センチ(獅子を除いた高さ)ほどの小さな文殊菩薩騎獅像が納められているのがわかったという。(『朝日新聞』2020年6月2日)

 

 

その他(十一面観音像について)

同じ厨子中、向かって右に安置されている十一面観音像は像高約110センチの立像。

文殊菩薩像より古い平安時代の作。一木造で、内ぐりもほどこさず、また腕飾りも共木から彫り出すなど古様なつくりの像である。

衣は浅い彫りで、おだやかな雰囲気の像である。

 

 

仏像探訪記/京都府