宝台院の阿弥陀如来像

  徳川家康の念持仏と伝える

住所

静岡市葵区常磐町2丁目13-2

 

 

訪問日 

2011年4月18日 

 

 

この仏像の姿は

宝台院ホームページ・宝物

 

 

 

拝観までの道

静岡駅北口から西南西に徒歩10分のところにある。

拝観は原則土日祝日休み。

 

 

拝観料

200円

 

 

お寺のいわれ

宝台院はもと龍泉寺といい、家康の側室、お愛の方(2代将軍秀忠の母)の菩提寺だそうだ。そのため、このお寺は徳川家から格別の保護を受け栄えたらしい。

はじめ柚木にあり、家康が紺屋町に移し、秀忠がさらにこの場所へと移したという。いずれも現在の静岡市葵区内にあり、近い距離の引っ越しであるが、移転する度ごとに規模が大きくなって、偉容を誇った。

 

近代には、後ろ盾を失って荒廃したというが、最後の将軍徳川慶喜がここで謹慎生活を送ったことでも知られる。しかしその伽藍は、惜しくも戦前の静岡火災で焼失してしまった。

現在の本堂は、1970年に再建された鉄筋3階建て。1階が拝観受付、2階が本堂、3階が宝物室となっている。宝物室ではお寺に伝わる茶道具や絵画、関連の資料が展示されている。

 

 

拝観の環境

本堂は広々と天井の高い空間で、本尊阿弥陀如来像がまつられている。

柱がなく、内陣、外陣という古典的な分かれ方がないので、結界を設けていて、その外側からの拝観で、本尊までやや距離があるが、明るい空間なのでよく拝観できる。斜め横からは、像の厚みがわかる。

 

 

仏像の印象

像高は約1メートルの立像。

家康の念持仏だったといい、いくさにも同行したなどとも伝える。それを秀忠がこのお寺に寄進したものだそうだ。下地の白っぽい色が見えているので、「白本尊」と呼ばれることもある。快慶作というが、快慶よりもややあとの時代の像と思われる。

 

穏やかで優しい表情をした仏像である。肉髻は低く、かぶさるような髪はその生え際がカーブする。

衣は賑やかだが、意外に平板な印象である。

前に出す右手と、下に下げつつもやや前に出す左手が豊かな空間を形作り、像に奥行きを生み出している。左右の手から下がる衣は深く襞(ひだ)を刻む。

 

 

その他

宝台院の「白本尊」と似た伝承をもつ阿弥陀如来立像が、東京・芝の増上寺に伝来しているので、合わせて紹介しておく。

増上寺の大殿(本堂)に向って右、安国殿というお堂の本尊で、「黒本尊」と称する像である。やはり家康の念持仏で、いくさの時にも伴った等伝えられている。

こちらは宝台院の本尊とは異なり、秘仏、1、5、9月の15日に開帳される。時間は10時から16時(ただし法要がある12時半〜14時半ごろは近くに寄れない)。

増上寺は都営地下鉄線大門、芝公園、御成門の各駅よりそれぞれ徒歩。

なお、大殿の本尊は室町期の阿弥陀如来坐像で、20世紀初頭の火災後に知恩院から送られた像だそうだ。

 

 

さらに知りたい時は…

『仏像探訪』、枻出版社、2011年2月

 

 

仏像探訪記/静岡県