福岡市美術館の仏像展示

東光院旧蔵の仏像群

 

住所

福岡市中央区大濠公園1-6

 

 

訪問日 

2016年3月5日

 

 

館までの道

福岡市美術館は、市の中心にあって憩いの場として人気の大濠公園の脇にある。

最寄りの駅は地下鉄の大濠公園駅か六本松駅。

原則月曜日休館。

 

福岡市美術館ホームページ

 

 

入館料

常設展示一般200円

 

 

仏像のいわれなど

1979年の開館。

この美術館の1階には、東光院仏教美術室と名付けられた展示室がある。市内の東光院という寺院に伝来し、現在は市の所蔵になっている仏像を常設展示している。

 

東光院は博多駅の北東にあった真言宗の古刹で、数多くの仏像、仏画を伝えていたが、1974年に文化財保護の観点からそれらを市に無償譲渡したのだという。

 

仏像は薬師如来の立像と坐像、十二神将が2組、阿弥陀如来立像、日光菩薩像、仁王像がある。薬師如来と十二神将が2セットあるのは、うち1組は近代に廃寺となった寺院から移されてきたため。立像の薬師如来像の方が、東光院の旧本尊であった。

ただしそのすべてが展示されているのではなく、私が訪れた時には薬師如来像2躯、本尊の眷属であった方の十二神将、そして仁王像が展示されていた。

 

 

展示の環境

ガラスケースのない状態で展示されており、とてもよく見ることができた。

 

 

仏像の印象

薬師如来立像は像高2メートル近い仏像。平安時代の作で、ヒノキの寄木造という。

唐から帰朝した最澄がこの地で刻んだ七仏薬師のうちの1躰であるとの伝承を持つ像である。

大きな肉髻、目は伏し目がちで、ふくらんだまぶたが目を引く。しっかりと結んだ口は威厳がある。

体躯は大きく幅をとり、堂々として迫力がある。ただし体の厚みは意外に薄く、衣のひだや太ももの量感も控えめで、平安前期の力強さを一部受け継ぎながらも、平安時代後期の特徴が顕著に見られる。

手先や足先は後補。

 

十二神将像は9躰が平安時代、3躰が江戸時代の補作である。

像高は70センチ前後。ヒノキの割矧ぎ造(または寄木造)。変化に富み、手堅いつくりである。忿怒の表情ながら顔つきはユーモラスであり、体勢もゆっくりと構えに入ったという感じで、魅力ある像である。

 

仁王像は像高約2メートル。顔の表情、筋肉の様子など誇張が進んでいるという印象である。長く山門を守っていたために傷みが進み、1970年代に修理され、その時に銘文が発見された。阿形像の銘文によると南北朝時代の1367年に山門流の加賀法眼宗栄によってつくられたとあり、貴重な基準作である。

 

 

その他1

福岡市美術館はリニューアル工事に伴い、2016年9月1日から休館に入るそうだ(2019年3月までの予定)。

 

 

その他2(福岡市博物館の展示)

有名な金印が展示されているのはここではなく、福岡市博物館(最寄り駅は福岡市営地下鉄の西新駅)である。その常設展示に個人所蔵の金銅造の高麗仏(如来坐像)が陳列されていた。微笑みを浮かべた表情がかわいらしい像。ガラス越しによく見ることができた。

 

 

さらに知りたい時は…

『九州仏』(展覧会図録)、福岡市博物館、2014年

『福岡県の仏像』、アクロス福岡文化誌編纂委員会、海鳥社、2014年

『空海と九州のみほとけ』(展覧会図録)、福岡市博物館、2006年

『東光院の仏教美術』、福岡市美術館、1985年

 

 

仏像探訪記/福岡県