大観音寺の鉄造仏頭

  毎月11日と17日に開扉

住所

中央区日本橋人形町1−18−9

 

 

訪問日

2007年9月17日、 2015年4月11日

 

 

 

拝観までの道

大観音寺(おおがんのんじ)は東京都中央区、まさに都心にある小さい寺院である。

ほぼ地下鉄人形町駅の真上、人形町交差点から水天宮方向に少し進んだ右側にある。

その本尊が鉄造の観音菩薩像の頭部で、毎月17日の縁日に開扉、公開されてきた。

 

『東京新聞』2012年5月10日夕刊によれば、前年3月11日の東日本大震災によって、この仏頭は約25度、右に向きを変えたのだという。お寺では以来その向きを変えず、被災地に祈りをささげてきたそうだが、2012年5月からは毎月11日もご開帳することにしたそうだ。

 

 

拝観料

志納

 

 

仏像のいわれ

大観音寺の仏頭は近代初頭の神仏分離の際、難を逃れて鎌倉から人形町に運ばれてきたという。かつては鶴岡八幡宮に近い鉄(くろがね)ノ井のそばの小堂に安置されていたといい、そもそもその井戸が鉄ノ井と呼ばれるようになったのはこの鉄造の仏頭が井戸から出現したことによると伝えられている。もともとは鎌倉・扇谷にあった新清水寺の本尊で、1258年の大火で首だけが残ったものなのだそうだ。

さて、どこまでが伝承で、どこからが事実なのであろうか。

もしもその通りとすると、この仏頭は1258年以前の作となり、13世紀前半ころのものと考えることができる。

様式的にも、高いまげや豊かな頬など、鎌倉時代の仏像の彫刻としての特色が顕著である。

 

 

拝観の環境

前立ちの観音像があるため、残念ながら正面からは見づらい。斜め前からなんとか拝観できる。

 

 

仏像の印象

ゆたかな頬やくっきりと大きい鼻が印象的である。髪はとってつけたようだが、実際後補で、銅で作られている。その上のまげは当初のものだが、おそらく後補の髪をつけた時に間違えてしまったのであろう、前後が逆についている。従って、額より上の部分には製作当初の面影はない。また、その下の顔の部分も火事にあったためかやや肌が荒れている。

それでも、落ち着きと貫禄を備えた優品であることがわかる。とても大きい像で、頭部だけで170センチ以上あり、全身が残っていたらどんな印象の像であったかと想像を巡らさずにはいられない。

 

 

その他

大観音寺ではこの仏像を開扉する毎月17日の11時30分より観音経読誦会を催していて、地元の信仰篤い方々がお集まりになる。この時間に行けば混ぜていただける。

また、毎月11日の11時には護摩炊き法要が行われている。

 

 

もっと知りたい時は…

『東日本に分布する宗教彫像の基礎的調査研究』(『東国乃仏像』二)、有賀祥隆ほか、2010年

『日本の鉄仏』、佐藤昭夫・中村由信、小学館、1980年

「人形町の鉄観音」(『Museum』164)、立田三朗、1964年11月

 

 

仏像探訪記/東京都