金剛寺の阿弥陀如来像

  年1度、桜まつりの時期に開帳

住所

厚木市飯山5456

 

 

訪問日

2010年4月4日

 

 

この仏像の姿(外部リンク)

あつぎの文化財・金剛寺の木造阿弥陀如来坐像

 

 

 

拝観までの道

小田急線本厚木駅北口の5番バス乗り場から宮が瀬、上飯山、上煤ヶ谷行き神奈川中央交通バスに乗車し15〜20分。「飯山観音前」下車。バスの本数は1時間に2本程度。

 

神奈川中央交通バス

 

バス停の西側、小鮎川(相模川支流)にかかる橋を渡ると、そのまままっすぐの道と右へ坂を上って行く道に分かれる。まっすぐ行くと坂東三十三観音の札所として名高い飯山観音(長谷寺)に行く。金剛寺へは右の坂道である。バス停から5分ほどで着く。

 

阿弥陀如来像は収蔵庫に安置され、普段は非公開。

3月末から4月はじめに行われている「あつぎ飯山桜まつり」中の日曜日に開扉されることが、ほぼ恒例となっているようだ。2010年は4月4日(日)に開扉が行われた。10時に法要があって、10時半頃から拝観することができた。

桜まつりの行事にお寺が協力しているような感じで、詳細は地元の観光協会に問い合わせるのがよいようだ。

 

 

拝観料

志納

 

 

お寺のいわれ

金剛寺の住僧が1182年に源頼朝に提出した文書によれば、金剛寺はそれ以前、聖禅という僧によって草創されたとある。

鎌倉時代には金沢北条氏の寺・称名寺や鎌倉の覚園寺と密接なつながりをもち、各宗派の教学が盛んに行われて、たいそう栄えた寺院であったようである。

 

 

拝観の環境

収蔵庫の扉口からの拝観。やや距離があり、細部まではあまりよくわからない。

 

 

仏像の印象

阿弥陀如来像は半丈六の坐像(像高約140センチ)。関東における代表的な定朝様式の仏像である。

大きな肉髻、はち切れそうな丸顔、ゆったりと広い上半身は、いかにも頼りがいがありそうな印象を与えている。脚部はしっかりと左右に張って、安定感を生み出している。

衣の線はしっかりと刻み、このタイプの像としては比較的深い襞(ひだ)をつくっている。

平安末から鎌倉初期にかけての像と思われる。

 

 

その他

本堂脇の間に鎌倉時代の地蔵菩薩坐像(像高80センチ余)が安置されている。像内に長い銘文があり、判読不能な箇所も多いが、鎌倉末期の1299年、仏師院慶の作と読める。貴重な基準作例であるが、拝観は不可。

 

 

さらに知りたい時は…

『厚木市史 中世通史編』、厚木市史秘書部市史編さん室、1999年

『厚木市史 中世資料編』、厚木市史秘書部市史編さん室、1989年

『解説版 新指定重要文化財3、彫刻』、毎日新聞社、1981年

『神奈川県文化財図鑑 彫刻篇』、神奈川県教育委員会、1975年

『鎌倉彫刻史の研究』、渋江二郎、有隣堂、1974年

 

 

仏像探訪記/神奈川県